市場での流通量が少ないビル・エヴァンスのレコードの場合は、必然的に価値が高いものになります。発売当初は人気がなく、後年になって評価された作品なども、高価買取の対象となります。
また、同じタイトルでも初回限定盤と通常版がある場合、初回限定盤のほうが高価になる傾向に。
ビル・エヴァンスのレコードは売却時の状態がよいほど、高額査定が期待できることでしょう。
ジャケットは非常に繊細で、コンディションは紫外線、湿気によるカビなどですぐに劣化が進んでしまいます。
レコード自体は音飛びがなくとも、傷がついているとそれだけで減額の対象になります。無論、未開封品であれば理想です。
アルバムなどのビル・エヴァンスのレコードは、帯がついているとプラス査定の重要ポイントとなります。帯がきれいな状態なものは高価買取の対象になる可能性も。
ほかにも、リリース会社のレーベル名が入ったカンパニースリーブ、発売当時特典だった冊子やステッカー、ポスターもついているとプラスのポイントになります。
レコードとして発売されたビル・エヴァンスのレコードで、CDとして再発売されていないものは価値が高いため、買取価格は高くなる傾向に。
また、関係者や店頭視聴用に作られたレコードであるサンプル盤(通称白盤)も希少価値が高いものになります。レコードをプレスした順番がわかる「マトリクスナンバー」によって、価格が左右されることも。
ビル・エヴァンスのアルバムでは、レーベル会社「RIVERSIDE」からリリースされた「NEW JAZZ CONCEPTION」です。120,000円という買取事例も。
この作品は1957年に発売された、ビル・エヴァンスがリーダーとしてのデビューアルバムです。ちなみに再付盤とオリジナル版では価格に何倍もの差が出ます。
タイトル | 買取相場 |
---|---|
WALTZ FOR DEBBY(Reissue) | 400円 |
NEW JAZZ CONCEPTION | 120,000円 |
1950年代に台頭した「モードジャズ」と呼ばれるジャンルにおいて、ビル・エヴァンスはさまざまなアーティストへ影響を与えたピアニストです。
ジャズはポップスに比べればややマイナーなジャンルなのは事実です。しかし、年齢層の高いファンに支持されていて、常にある一定のニーズがあります。
加えて、高値で取引きできるプレミアム盤も多数存在。海外から買いつけたり、日本で買い取って海外へ販売をしたりなど、国境を超えてジャズレコードを売買する専門店も多数存在しているほどです。
ビル・エヴァンスは根強い人気を誇る白人ピアニストです。特に60年代のビル・エヴァンス・トリオは従来のジャズピアノ演奏法に一石を投じました。同時に、1人の硬派ジャズファンでもあったエヴァンス。死去する直前までステージに立ち続けた稀代のプロミュージシャンでした。
数多くの代表作のなかでもアルバム「ワルツ・フォー・デビイ」に収録されている「マイ・フーリッシュ・ハート」という曲は、ジャズ初心者でもわかりやすい1曲。
ほかにも、「ポートレイト・イン・ジャズ」、「サンディ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガード」「エキシプロレーションズ」の4作は「リヴァーサイド4部作」と呼ばれ、人気を博しています。
日本盤のレコードのなかには記念のレコードが発売されていました。有名ミュージシャンの来日記念や、日本独自の編集盤として販売された限定帯付のものなど、人気の高いビル・エヴァンスのレコードであれば、かなり高額で取引きされるケースも。
こうした限定盤は海外でも人気が高く、世界最大級のレコード関連イベントでも、日本盤専用のブースがあるほどです。
人気の理由は、ハイクオリティな音質、日本独自の限定盤
レコードの買取はフュージョン、モダンジャズなどジャンルによって価値が変わります。そのほか、年代や音質によっても価格は変動します。そのためさまざまな査定ポイントが存在し、ショップの得意とするジャンルによって価格に差が出ることも。
専門性の高い買取業者、宅配買取対応の業者、大手チェーンなど、査定先の選択肢は多いですが、共通していえることは、「複数の業者に査定見積りを依頼するべき」ということ。
先に述べたようにショップによって価格に差が出るため、いくつか査定依頼をした結果、査定額の高い業者に買い取ってもらうのが賢い売り方です。