毎年4月の第3土曜日は何の日か知っていますか?
実は、レコードショップでセールやインストアライブを行われる「レコードストアデイ」という日なんです。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、数々の有名アーティストも賛同している取り組みの1つ。毎年世界各国で賑わいを見せています。
そんなレコードストアデイの「発祥」「取り組み」「盛り上がっている理由」などを調査してみました。ぜひ、参考にしてくださいね。
レコードストアデイとは、レコードショップとアーティストが一丸となって、レコードショップを盛り上げる祭典。レコードを手にする楽しさや面白さを共有するために2007年にスタートしました。
発案したのは当時アメリカでレコードショップを営んでいたクリス ブラウン。商業施設のCDショップが増え、街の小さなレコードショップがなくなりつつある現状をどうにかしたいと思ったのがきっかけです。
そして、そんなオーナーの提案に最初に乗ったのが世界的に有名なメタルバンド「メタリカ」。レコードショップが無くなるのはトップアーティストにとっても悲しいこと。2013年にポール・マッカートニーが協賛してからは、徐々に大きな式典へと変化していったそうです。最近ではASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤博文やTHE BAWDIESのROYも協賛しています。
レコードショップは、毎年アーティストをアンバサダーに立てて、音楽との出会いを楽しんでもらうことを目的にレコードストアデイを取り組んでいます。
レコードストアデイの内容はお店ごとに異なり、独自にセールをしているところもあれば、アーティストを招いて認知度を高めている店舗も。内容は前もって公式サイトに記載されます。近くにあるお店はどういった内容のレコードストアデイになるのか、事前にチェックしていても良いかもしれませんね。
レコードストアデイが盛り上がるのには2つの理由があります。1点目は、レコードストアデイのためだけに作成されたレコードやグッズの販売。その日しか販売されないレコードは、手に入れるために多くの人が前日の夜から行列をつくるほど人気があります。その場はレコード好きしか集まらないため、自然と気持ちも高ぶるでしょう。
2点目はアーティストが店内で行うインストアライブです。限定レコードを販売するアーティストがお店に来て生ライブをしてくれる、ファンにはたまらない取り組みです。海外ではインストアライブのほかに、DJイベントをはじめとした様々な工夫がされています。また、2017年に10周年を迎えたことも盛り上がりに大きく影響しているようです。
レコードストアデイは、レコード初心者の入口として最適な祭典。盛り上がりながらレコードの魅力を共感できる祭典なので、若者人気を集めています。また、レコードストアデイの協賛アーティストが年々増加している影響もあり、レコードの売り上げも伸びています。
共同創設者のマイケル・カーツ氏によると、現在レコードストアデイに参加している国は50か国以上にのぼるとのこと。特に盛り上がりを見せている国は「ドイツ」「フランス」「イギリス」「アメリカ」、そして「日本」です。イベントの内容は国によって違います。例えばフランス・パリの場合、昼は音楽ファンによるお店まわりがメインで、夜にはフェスを開催。ドイツの場合は、ビールの消費量が上がっているのだとか。
その国ならではの盛り上がりを楽しむために、レコードストアデイに合わせて旅行してみるのもアリでしょう。
海外のレコードショップではインストアライブも多いので、好きな海外アーティストがレコードストアデイに協賛しているなら要チェックです。日本では、2017年のアンバサダーを務めるスチャダラパーが、レコードストアデイの時期に合わせてワンマンツアーを行なっています。
また、レコードストアデイの参加ルールとして海外のレコードショップは大手参加NGとなっていますが、日本は大手音楽チェーン店の参加も一部OKとなっているのが特徴です。
アメリカからは、これまでオジー・オズボーン、イギー・ポップ、Public Enemy(チャック・D)、Foo Fighters(デイヴ・グロール)、メタリカ、U2、ボブ・ディラン、ポール・マッカートニーといった有名な歌手が協賛しています。
日本ではASIAN KUNG-FU GENERATION(後藤正文)、THE BAWDIES(ROY)、サニーデイ・サービス(曽我部恵一)、スチャダラパーなどが協賛しているようです。レコードのリリース・イベントを行い、レコードストアデイを盛り上げてくれています。
ぜひ、レコードストアデイの日にレコードショップへ行き、レコードを手に取る喜びを味わってみてはいかがでしょうか。きっとipodやiPhoneで聞く音楽とは異なる音響を楽しめますよ。